石割桜　；　塗炭の苦しみ

『脳の中の幽霊』ラマチャンドラン

切断した手足の幻肢の痛みに、興味があって読んだ。
　その中で、気になったことがあったので、引用した。

ｐ115「 「新しい」経路に入った情報は、再度二つの流れに分かれる。一つは「どこ」経路で、頭頂葉（脳の両側の耳より上の部分）にいたる。もう一つはときに「何」経路と呼ばれる者で、側頭葉（こめかみの奥）にいたる。　」

ｐ117「実際に側頭葉を「何」の経路もろとも除去したサルで、この種の実験をした。側頭葉を除去されたサルは（「いかに」経路はそこなわれていないので）歩き回まわることもできたし、ケージの壁にぶつかることもなかったが、火のついたタバコやカミソリの刃を前に置かれると、それを口に入れて食べようとする。オスザルはニワトリやネコなどほかの動物や実験者にまで、交尾の姿勢で乗りかかってくる。性欲が過剰なのではなく、ただ見境がないのだ。何が獲物で何が交尾相手か、何が食べ物かがわからず、全般にどんな対象物でも、それがどういう意味をもっているかがわからない。」

　
　ストーカー男は、やって、いい相手かどうかの見境がないことから、側頭葉に損傷でもあるのかしら？　と、考えてしまいました。